カゴメは、株主のみなさまに当社の活動への理解を深めていただくために、「対話と交流の会」を実施しています。
「社長と語る会2023」は本年もどのエリアの株主さまにもご参加いただけるようにオンラインで開催しました。
2日間、各日2回実施とし、様々な株主さまにご参加機会を提供できるように夜の時間帯にも実施しました。
カゴメをより知っていだく機会として楽しみながら参加していただくことができました。
動画でもご覧いただけます。こちらからご覧ください
企業紹介は、山口社長がクイズを出題。国際事業・国内事業から各2問、全4問のカゴメクイズに挑戦していただきました。海外の工場については、動画でクイズを出題。水平線まで広がる圃場や大きな製造設備などをご覧いただき、日本とのスケールの違いも感じていただきました。
オンライン飲み会ならぬオンライン試飲会ということで、まずは乾杯!
「カゴメトマトジュース食塩無添加」と「野菜生活100 オリジナル」をご試飲いただきました。
今年発売90周年の「カゴメトマトジュース食塩無添加」は、善玉コレステロールを増やす、高めの血圧を下げる、の二つの機能性表示食品です。
「野菜生活100 オリジナル」は、この春の商品リニューアルで野菜の比率を60%から70%にアップしました。野菜摂取感を高めながら、フルーティーなおいしさを実現しています。
株主さまからお1人ずつ順番にご質問いただき、山口社長が回答しました。
Q:地球温暖化について関心があります。今後、自然を守っていくことに邁進されることと思いますが、どのようなことをお考えでしょうか。
A:農業が未来にわたって継続していくことは、カゴメにとって1番重要な仕事の前提条件になりますので、それに少しでも役立つことはやっていきたいと思っています。1つは、先ほどご説明したお水の話です。なるべく水を無駄にせず、たくさんの野菜を収穫できるようにするということをやっています。それから、品種開発です。トマトの新しい品種も開発をしています。水が少ない乾燥状態でも育つとか、少し暑くても育つとか、そういった環境変化に合わせたトマトの品種開発をしております。気候変動全体をカゴメ1社の力で止めるというのは難しいですけれども、工場からCO2を出さない、なるべく水は使わない、厳しい環境でも育つような作物の品種開発、こういったことを計画的に進めていきまして、これ以上、地球環境が悪い方向に行かないように貢献できないかなと考えているところであります。
Q:カゴメ商品の中で、1番のおすすめ商品は何ですか?
A:全部おすすめなのですけれど、自分の生活を考えると、1年で1番多く消費しているのは、カゴメトマトジュース食塩無添加です。毎朝、コップに1杯か2杯は必ず飲むようにしていまして、これを飲むと体の調子がいいなという実感があります。トマトの栄養成分に赤い色のリコピンというのがあるのですが、これは研究の結果、朝起きて何も食べずに最初に飲むと、体にたくさん吸収されるということがわかっています。それを実践しようと思って、毎朝飲んでいます。ぜひ、トマトジュースを朝ご飯の前に飲むことを試していただけたらと思います。
Q:これだけは絶対やってはいけない、というようなことはありますか。
A:やってはいけないということよりも、常々自分としても、会社としても一番大切だと思っていますのが、正直にやるということです。私どもは、良い野菜を作って、良いジュースを作ることをやっていまして、そんなに添加物も使わずに、なるべく自然のおいしさをそのまま生かすという商品を作るようにしています。正直にやるということが、一番おいしい商品にもなりますし、お客様に対する約束を守ることになるかなと思いますので、正直に、オネストにやっていくということが、一番大切かなと思っています。
Q:品種改良はすごく時間がかかるので大変だと思います。遺伝子組み換えはやらないとは思いますが、やった場合には、きちんと表示してもらいたいと思っています。完全に安全かどうかわかっていませんので、その表示だけはお願いします。
A:ご意見ありがとうございます。カゴメの研究所では、トマトの品種開発をやっています。ただし、遺伝子組み替えをしたトマトというのは作っていませんし、これからも使うということは考えていません。今も、昔ながらの自然交配という形でやるのが主です。1つの新しいトマトを作るのには、最短でも5年ぐらい、長ければ実用化できるのに10年ぐらいかかる仕事です。非常に地味で時間がかかる仕事ですけれども、やはり1番中心となるトマトですから、そこに結構な研究の担当の人数をかけて、地道な研究をしております。その中から、今のトマトジュース用のトマト、「凛々子R」という名前なのですけれど、これも品種改良して今の品種になっています。昔のトマトジュースのトマトは青臭かったのですが、今はそれを少しずつ変えて、青臭さを少し消したような感じになっています。
Q:株主優待については、一時的かもしれないが厳しい状況の中、がんばっておられることを感じます。株主優待というのが、どうしても株主の公平性の面から、やめていく企業が多い中で、こういうふうに続けていただくと、とてもありがたいなと思います。最近セキュリティトークンを通じて、株主ではなくて、広く薄く、10万円という少額のもので、投資を広く薄く呼び込む取り組みをしていると聞いています。これによって消費者を増やそうとしているのだと思いますが、今後もこのような取り組みを続ける予定はありますか?
A:デジタル社債を初めてやってみまして、非常にご好評をいただきました。株主さんとは少し違いますが、ああいった形で会社のことを応援してくださる方がたくさんいらっしゃるんだなということがわかりましたので、デジタル社債については、また発売をすることもあると思います。今そういったことを検討しております。
Q:今後カゴメさんが狙うマーケットというのはやはり中国でなくアメリカだと思うのですが、それについてはどうお考えですか?
A:これから海外での成長を加速していくことは大きな課題です。カゴメとしては、最優先は北米だと思っています。北米で成長していこうと思っている理由はいくつかありまして、1つは人口の増加です。人口が増えていきますから食市場もその分大きくなっていきます。人口の増加は、これから先もある程度見込まれています。あとは、物流や販売などのしっかりしたインフラがあることも魅力です。アフリカも人口が増えていますが、インフラがないものですから加工食品をお届けすることができません。この2つの魅力と、あとはトマトをたくさん消費するエリアでもあるということですね。アメリカの料理もメキシコの料理もトマトを使います。この3つの理由から北米で成長させていきたいと思っていまして、2年前に北米成長戦略プロジェクト室を作り、そこが専門で北米のいろいろな可能性を探っています。これはまた具体的になりましたら発表させていただきますが、まずは北米を最優先ターゲットと考えております。