経営システム工学科で、生産管理や品質管理、IEといった生産効率を高める学問を中心に学んでいたので、モノづくりメーカーに就職したいと思っていました。その中でも自分にとって一番身近な食品メーカーであるカゴメは、明らかに他の会社と雰囲気が違って、明るく活気があり、やりたいことに前向きになれる印象を受けました。今でこそ、エンゲージメントや働きがいは世間で重要視されていますが、カゴメには当時からそのような風土があるように感じました。運よく内定をいただき、迷うことなく就職活動を終了しました。もちろん、入社して働き始めてからもイメージ通りの会社でした。
最初の2年間は、製造現場で調合OP(紙飲料の内容液を製造・殺菌する工程)を担当しました。製造現場には、さまざまな立場でいろんな考えを持った方々がいて、同じラインでいっしょに生産をします。人とのつながりや信頼関係の大切さと「三現主義(現場・現物・現実)」の重要性を実感しました。この時期に学んだことが、その後のキャリアのベースになっていて、今でも現場で起きていることや、現場で業務する人の考えを理解することを大事にしています。
2年後に希望していた生産管理課に配属になりました。もともとやりたい業務でしたので、モチベーションは上がりました。ただ、異動したばかりの自分には、わからないことが多く、最初の1年は慣れるまでかなり大変でした。最も苦労したのは、工場全体で合意を得て課題推進していくことです。現場にはこういうメリットがあるとか、こんなに生産性が向上するとか、きちんと理解して納得してもらえるように、とにかく関わるすべての人たちとの対話を大事にしました。2年目以降は、工場の利益を最大限にするための稼働体制や問題解決を推進して、紙ラインの生産効率向上にチーム一丸で取り組み、達成することができました。
これまでは工場の利益をいかに増やすかを考えてきましたが、品質管理課に異動になり業務内容がガラッと変わりました。初めの頃は品質や設備の知識が乏しく、工程トラブルなどが発生した際に、良品の判断を机上の計算や過去の実績に頼っていた部分がありました。しかし、「実際にモノづくりをしているのは人と設備なので、その原理原則を理解していないと、実際に何が起きているのかわからない」と上司からも言われ、まずは設備をしっかり理解することを意識して取り組みました。最終的には品質管理能力が身についたと思っています。また、夏のトマトシーズンにイタリアへ派遣され、現地の生トマト加工ラインで1か月の品質支援を行ったこともいい経験になりました。
生産技術部へ転属になり、また違った分野の業務に取り組むことになりました。さらに今度は東京本社への異動でしたので、当時は不安とワクワク感があったことを覚えています。現在担当しているのは、飲料設備の新ライン設計・導入や設備投資の戦略立案などです。どちらの仕事も必ず企画・開発部門などと連携して、戦略を検討していきます。限られた資源を活用して、最大限利益を生み出すためにはどうするか…。日々の課題は山積みですが、今までのカゴメでの仕事で、最もやりがいを感じています。特に自分が1から設計した製造ラインが稼働していくことに、これ以上ない達成感を感じています。
想像できない新たなことに取り組み、仕掛けていると思います。例えば、今現在の製造現場の設備は10年前と比較してもガラリと変わりました。この先10年の変化はさらに加速するはずなので、しっかりと追随して最先端を行く企業でありたい。そのために失敗を恐れずにチャレンジしていきます。
※この情報は2021年12月時点のものです。