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トマトの原産地は南米のアンデス高原。16世紀にメキシコを経て、まずはヨーロッパにもたらされました。でもその当時は、あまりにも強烈な赤い色への抵抗感、独特の風味などから、食用として受け入れられませんでした。食用とされたのは18世紀に入ってから。それまでの約200年、トマトは観賞用とされていたのです。 日本にトマトが渡来したのは江戸時代のことですが、やはり最初は食用ではなく、観賞用として珍重されました。食用になったのは明治以降。キャベツやたまねぎ、アスパラガス、にんじんなどとともに、西洋野菜の仲間として知られるようになりました。それでも、やはり最初のうちは赤い色が嫌われて見向きもされなかったようです。 でも今では、そんなできごとが信じられないくらい私たちの食生活に深く浸透しているトマト。そのおいしさだけでなく、現在では健康効果も広く知られるようになりました。ヨーロッパには「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺があるほどです。 ● トマトの栄養 トマトの95%は水分ですが、ビタミンやミネラルをバランスよく含んでいます。ビタミンは、体内でビタミンAに変わるプロビタミンAのβ-カロテンや、ビタミンC、ビタミンB1やビタミンB2などのビタミンB群、そしてビタミンEなどを。ミネラルは、カリウムやマグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、セレンを含んでいます。 五訂食品成分表によると(表1)、桃太郎など生食用のピンク系トマトに比べ、プチトマトや赤系トマトを原料としてつくられるトマト缶詰のほうが、栄養素が多く含まれています。ただし、トマト缶詰は熱に弱いビタミンCは減少してしまいます。 ● トマトのリコピン ![]() トマトの赤い色はリコピンという色素によるもの。カロテノイドのひとつで、カロテノイドにはこのリコピンのほか、α-カロテン、β-カロテン、ルテインなどがあります。このうちのβ-カロテンはプロビタミンAとして、栄養学的に早くから注目されていました。 さらに近年、カロテノイド自体に強い抗酸化力があることが知られるようになり、急激に注目度がアップしています。そして、「カロテノイド」のなかでも、とりわけ「リコピン」に抗酸化作用が強く、その作用は「β-カロテン」の2倍以上、ビタミンEの100倍以上にもなることがわかっています。 |