野菜を多く食べる人はメタボの割合が少ない!?

健康診断でメタボリックシンドローム(メタボ)を指摘されたことのある人も多いのではないでしょうか?実は野菜を多く食べる人は、メタボの割合がとても少ないんです。本記事では、そもそものメタボの意味から、野菜摂取と関連を示す研究結果に加え、生活習慣病の予防・改善に役立つ食べ物をご紹介します!
012つ当てはまるとメタボ!
メタボ=太っていることをイメージしがちですが、メタボは単に体重が基準値より多い状態を表す言葉ではありません。
メタボとは、お腹の内臓まわりに脂肪がたまる内臓脂肪型肥満に加え、高血圧、高血糖、脂質異常のどれか2つ以上が重なった状態を指します。

特に内臓脂肪が過剰になっていると、動脈硬化を促進する生活習慣病を引き起こす可能性が高いので注意が必要です。
このメタボに関する世界の研究を見てみると、「野菜を多く食べる人はメタボの割合が少ない」という結果が多く報告され、注目を集めています。※1※2
野菜は、人体の機能を正常に保つために必要なビタミン、臓器や細胞の活動をサポートするミネラル、腸内環境を整える食物繊維を多く含むことから、メタボ対策にとって頼もしい食材といえるでしょう。

では、実際に1日でどれほどの野菜摂取が必要なのでしょうか。
021日の野菜摂取量目標は〇〇〇g!
厚生労働省が発表した「健康日本21」によると推奨される1日の野菜摂取目標量は、350gとされています。

しかし2019年の厚生労働省の調査によると、実際の野菜摂取量の平均値は 280.5gと目標量に達していません。「健康を意識する人が増えている」とテレビや雑誌などでよく目にするかもしれませんが、過去の推移を遡ってみても野菜の摂取量には反映されていない状況です。
<20歳以上><平成21~令和元年>

同じく2019年の厚生労働省の調査によると、年齢別では男女ともに60歳以上は平均300g以上を摂取していますが、20〜40歳代は250g前後と特に少ないという結果になっています。
(20歳以上、性・年齢階級別)

まずは1回の食事に、サラダや野菜が主材料の小鉢を1皿以上食べることを目指しましょう!
03野菜摂取量推定機「ベジチェック®」
では実際に、野菜の摂取とメタボはどれほど関係しているのでしょうか。カゴメの研究結果を紹介します。
カゴメには、手のひらをセンサーに当てるだけで簡単に野菜摂取量を推定できる「ベジチェック®※注」という機器があります。

「ベジチェック®」は、皮膚に蓄積する性質を持つ野菜の色素「カロテノイド」の量を測定することで、野菜摂取量を推定します。
約800人の男女に対して行った研究では、皮膚のカロテノイド量が多いほど、野菜摂取レベルが高い傾向にあり、複数のメタボ指標の数値においても健康的(メタボの進行に対して抑制的)な関係がみられました。
メタボ指標の関係性※3より作図

特に女性ではほとんどの指標において、皮膚のカロテノイド量が多いほど健康的な関係にあることが分かります。
メタボが気になる人に限らず、健康な体づくりのために、まず1日に野菜350gを目安に食べることから始めてみてはいかがでしょうか。
注:ベジチェックは医療機器ではありません。表示値はあくまでも目安とお考えください。
04食物繊維を摂って生活習慣病の予防・改善!
メタボを含む生活習慣病の改善には、野菜に含まれる食物繊維も重要です。
食物繊維は人の消化酵素で消化されない成分で、小腸で吸収されずに大腸まで届くため、腸を整える効果があると注目を集めています。
また、脂質や糖などを吸着して体内から排出してくれる働きがあるため、肥満やメタボの指標にもなる高血圧など生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できます。※4

しかし野菜の摂取量と同様に、多くの日本人にとって食物繊維も不足しがちな状態です。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日当たりの食物繊維の摂取目標量は、18~64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています。※5一方、平均摂取量は1日当たり14g前後と推定されており、意識して積極的に食物繊維を摂る必要があります。
05食物繊維を多く含む野菜はズバリこれ!
では、食物繊維はどんな野菜に多く含まれているのでしょうか。
食物繊維量(100kcal当たり)は、しそが19.7g、パセリ、モロヘイヤが15g以上と豊富で、ごぼうの8.8gや枝豆の3.7gよりも多く含んでいます。
これらの野菜はいずれも、β-カロテンを豊富に含む緑黄色野菜です。
また、きのこ類は比較的食物繊維が豊富ですが、中でも椎茸、しめじ、まいたけ、えのきは、全て食物繊維量が15g以上(100kcal当たり)と特に豊富です。
含まれる食物繊維量

含まれる食物繊維量

1日の野菜摂取量を意識しながら積極的に野菜を摂ることで、健康的であざやかな生活を送りましょう!