更新: 2024/09/18

飲食店の人手不足の実態!原因と解決策を詳しく解説

飲食業界はインバウンド需要の拡大もあり、コロナ禍から売上や市場規模が回復してきています。一方で深刻な人手不足の状況は続き、各企業が人材の確保に苦戦している状況です。採用活動が上手く進まず、定着率にも悩んでいる飲食店も多いのではないでしょうか。

今回は、飲食店の人手不足の実態や原因、実施できる解決策を紹介します。

飲食店の人手不足の実態

まずは飲食店の人手不足の実態について解説します。

非正規社員の人手不足割合は全業種のうち1位

「人手不足に対する企業の動向調査(2022年10月)」(帝国データバンク)によると、飲食店の人手不足割合は正社員で64.9%、非正規社員で76.3%でした。

正規社員の人手不足割合は全業種で最も多く、2020年以前から7割を超え続けていることから、慢性的な人手不足に陥っているといえます。

さらに、前年同月と比較して時間外労働が約4割の飲食店で増えています。採用活動が上手く進まず、既存の従業員にしわ寄せが生じているのが現状です。

時間外労働の増加は職場環境が悪化し、離職者が増える大きな要因です。人手不足を加速させないためには労働時間の是正も進めていく必要があります。

出典:「特別企画: 人手不足に対する企業の動向調査(2022 年 10 月)」(帝国データバンク)

有効求人倍率は約2.89倍

厚生労働省が調査した「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」によると、飲食店で働く従業員の2024年1月における有効求人倍率は約2.89倍でした。

有効求人倍率とは、求職者に対する求人数の割合のことです。有効求人倍率が高いほど、求職者に対する求人数の割合が高く、人手が足りない状況を表します。

全職種の有効求人倍率1.21倍と比べ、深刻な人手不足に陥っていることがわかります。

出典:「職業別労働市場関係指標(実数)(平成21年改定)(令和4年4月~)」(政府統計の総合窓口 e-Stat)

飲食店の人手不足が深刻化している原因

次に、飲食店の人手不足が常態化している原因について解説します。

新型コロナウイルスによる影響

新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、飲食店は営業自粛による休業や時短が余儀なくされました。

消費者においても外出自粛が求められ、予約のキャンセルや来客数の減少が生じたことで、多くの飲食店で売上が減少しました。

従業員の雇用を維持できなくなり、離職者が発生した飲食店では、人材が別の業種に転職したまま戻ってこないという現状です。

さらに、売上の減少により新しく求人を出すことも難しく、店の存続が難しくなったケースもあるほどです。

定着率が低い

厚生労働省が令和2年3月に卒業した新規学卒者の離職状況を調査した結果によると、飲食業界を含む宿泊業・飲食サービス業の離職率は高卒で62.6%、大卒で51.4%でした。

前年度から引き続き全業種の中で最も高く、短期離職が多いことが伺えます。

飲食店は非正規社員に正社員と同等の働き方を求めたり、福利厚生が充実してなかったりと、業界特有の課題を抱えています。

離職理由として多く挙げられるのは下記の通りです。

  • 長時間労働になりやすい
  • 仕事量が多い
  • 給料が低い
  • シフトの融通が利きにくい
  • 待遇が良くない
  • 教育制度が十分でない
  • 評価されにくい

働き方の改善に取り組むことが、定着率を高める重要な施策といえるでしょう。

出典:「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」(厚生労働省)

採用コストが捻出できない

飲食業界はほかの業種と比べて利益率が低く、内部留保を確保するのが難しい特徴があります。

なかでも特に人件費は経営を圧迫しやすく、人材を増やすと売上が減るため、採用活動に積極的に取り組めないのが現状です。単価を上げて人件費を確保しようとしても、競合店に価格で劣ることになるため現実的ではありません。

採用コストを捻出するためには、少ない人手を最大限活かして売上を上げる施策を考えることが最優先です。

飲食店の人手不足に対する解決策

飲食店の人材確保における主な課題は、下記の通りです。

  • 人材を確保してもすぐに離職してしまう
  • 離職した人材が他業種に流れている
  • 利益率が低く採用コストが捻出できない

これらの課題を抱えるなかで、まずポイントになるのは「既存の従業員を活かしてどれだけ売上を上げられるか」ということです。

そこで最後に、既存の従業員を活かしつつ人手不足を解決するために必要な施策を紹介します。

ITツールを導入する

ITツールの導入により業務効率化を進めましょう。労働時間の短縮や人件費の削減、サービスの質向上に直接的な効果が見込めます。

業務効率化により回転率が上昇すれば、売上アップにもつながるでしょう。

飲食業界では、在庫管理ツールや予約管理システム、POSレジ、キャッシュレス決済などのツールが代表的です。

▼飲食業界の代表的なITツールと概要

在庫管理ツール…店舗にある食材の在庫状況をリアルタイムで確認できるシステム。

予約管理システム…オンライン上で予約を自動受付できるシステム。

POSレジ…売れた商品や売上額、顧客の購入履歴などの販売情報を自動的に収集するシステム。

キャッシュレス決済…現金以外の手段で決済できるシステム。

飲食店は政府が支援するIT導入補助金の対象です。自店舗のIT化を目指し、課題やニーズに合ったツールの導入を積極的に考えていきましょう。

調理効率を高める

調理効率を高めることで、人手が足りなくても料理提供までの時間を維持・短縮できます。

具体的には、下記の対策が挙げられます。

  • キッチンの動線を考えてレイアウトを見直す
  • 調理手順のムダを省く、簡略化する
  • 調理の手間が少ないメニューに変える など

とはいえ調理効率ばかりを気にすると、料理のクオリティに影響が出てしまう可能性があるのも事実です。

作業を効率化したいけど料理のクオリティは落としたくない……とお考えなら、カゴメの「冷凍イタリア産グリル野菜」がおすすめです。

「冷凍イタリア産グリル野菜」は南イタリアで育った新鮮な野菜をカット・グリルした冷凍食品です。水分を飛ばしながらグリルするため、野菜の味が凝縮され、使用した際に料理が水っぽくなりにくいのも特徴です。
オペレーションの効率化に役立つだけでなく、必要な分だけ使えるため食品ロスの削減に役立ちます。

食材が値上がりしている近年、「冷凍イタリア産グリル野菜」は年間を通して仕入れ値が安定していることも、おすすめのポイントです。

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まとめ

飲食店が深刻な人手不足が常態化している現状です。主な原因は復職率・定着率の低さ、採用コスト面にあり、単に採用を強化するだけでは人手不足は解決しないままです。

まずはITツールの導入で定型業務を削減したり、調理効率を高めたりなど、少ない人手を活かして売上を高める施策を考えていきましょう。

料理のクオリティを維持しつつ調理工程のムダを省くなら、カゴメの「冷凍イタリア産グリル野菜」がおすすめです。バリエーション豊富な野菜ミックスを自店舗のメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか。