更新: 2024/11/22

飲食店の原価率の目安はどれくらい?適切な原価に収めるための方法を紹介

飲食店の原価率の目安はどれくらい?適切な原価に収めるための方法を紹介 飲食店の原価率の目安はどれくらい?適切な原価に収めるための方法を紹介

飲食店の経営において、利益を左右するのが原価率です。飲食店では原価率=食材費にあたるため、安定した経営を続けるには、いかに食材にかかるコストを抑えられるかが鍵となります。

今回は、飲食店の原価率を抑えるための方法を解説します。

飲食店における原価率の目安は30%程度

飲食店における原価率の目安は30%程度 飲食店における原価率の目安は30%程度

一般的に飲食店の原価率(※)の目安は「30%程度」とされています。実際に、有名なファストフード店や飲食チェーン店では、原価率を30%ほどに設定している場合が多いのです。例えば、原価300円のメニューの販売価格を1000円にすると、原価率が30%になります。

しかし、小規模な個人店と大規模な飲食店では、業態や販売方法・コンセプト・原材料費などが異なるため、原価率30%がすべての飲食店において適切な値というわけではありません。

また、すべてのメニューで利益率を一定にするのではなく、原価率が高く利益が少ない看板メニューと、原価率の低いメニューを組み合わせて原価率を調整する必要があります。

さらに、利益を得るには原価率だけでなくほかの経費も考慮することが重要です。「原価率30%」はあくまで目安と捉え、自身の飲食店の適正値をみつけましょう。

※原価率=原価(材料費)÷販売価格×100

適切な原価率にするにはFLコストの理解も大切

適切な原価率にするにはFLコストの理解も大切 適切な原価率にするにはFLコストの理解も大切

利益を正しく把握するために確認すべきなのが「FLコスト」です。原価率を設定する際に考慮する項目なので、あらかじめ理解しておきましょう。

FLコストとは

FLコストとは、飲食店における経費の大部分を占める「Food(食材費)」と「Labor(人件費)」を合わせた費用を指します。また、売上高のうちFLコストが占める割合をFL比率(FLコスト比率)といい、適正値は一般的に「50~60%」です。

FL比率は、高くなり過ぎると利益が少なくなるので、安定して利益を出していくには適正値を保つのが重要です。適切な原価率を設定するためには、食材費だけでなく人件費も考慮しましょう。

FLコストの内訳の目安は、一般的に「食材費30%・人件費30%程度」とされていますが、業態によりさまざまです。個人経営といった人件費を安く抑えられる業態であれば、その分食材費に還元できます。

FL比率の算出方法

次はFL比率の算出方法をみてみましょう。FL比率の算出方法は、下記の式で計算できます。

FL比率(%)=(食材原価+人件費)÷売上高×100

例えば、月の売上が100万円の個人経営の飲食店で、食材原価30万円+人件費30万円(FLコスト60万円)の場合のFL比率を求める式は下記になります。

式:(食材原価30万円+人件費30万円)÷100万円×100=FL比率60%

よって、上記のFL比率は60%です。FL比率を60%に設定した場合、仮に人件費が20万円であれば、食材原価を40万円ほどまで上げられるという考え方になります。

原価率を適切な数値にするための方法4つ

原価率を適切な数値にするための方法4つ 原価率を適切な数値にするための方法4つ

顧客に満足してもらうためには、価格に対して料理やサービスの品質に価値を感じてもらう必要があります。利益を追求するあまり食材原価を下げ過ぎると、品質も顧客満足度も下がってしまいがちです。

ここでは、品質を維持しつつ原価率を抑えるための4つの方法を紹介します。

食材ロスの削減

顧客に安定的に料理を提供するには、食材の仕入れだけでなく、食材の適切な仕込みが欠かせません。生鮮食品は、洗浄やカットなどを済ませて仕込みをしておきますが、使い切れずにロスとして廃棄する場合もあるでしょう。ロスが多いほど原価率が上がってしまうため、無駄のない調理や在庫管理が求められます。

食材ロスを減らすには、使用食材の種類を減らすのが効果的です。1つの食材を多種類のメニューに使うレシピを作成すれば、使用頻度が増えるためロスを削減できます。

また、冷凍野菜の活用も食材ロスの削減に効果的です。洗浄やカットといった下処理が済んでいるので、前もって余分に仕込みをする必要がなく、オーダー後に必要な分だけ使えます。

洋風の飲食店におすすめなのがカゴメの「冷凍イタリア産グリル野菜」です。食材の洗浄やカット・グリルの下処理を省略できるほか、過剰な仕込みを防いで食材ロスを低減したり、年間を通して安定した価格で仕入れできたりといったメリットがあります。サイズや食材のバリエーションも豊富なので、メニューに合わせて取り入れると良いでしょう。

仕入れ先・仕入れ方法の見直し

仕入れ先によって食材の価格が異なるため、仕入れ先の見直しにより原価率を抑えられる場合があります。相場よりも安く提供してくれる業者がないかをリサーチし、見直しを検討しましょう。

また、天候や自然災害などにより、食材の品質や量・価格に影響が生じる可能性もあります。このような状況でもしっかり食材を確保できるよう、品質保持と安定供給の仕組みが整った信頼できる仕入れ先を見つけたり、複数の仕入れ先と契約したりすることが大切です。

メニュー・価格の見直し

原価率を適切にするには、各メニューの売れ行きをみて、内容や価格を見直すのも重要です。飲食店のコンセプトや業態にもよりますが、人気メニューが原価率の高いメニューに偏っていると利益を上げにくくなります。

店舗のメニューの売れ筋を確認して、人気のないメニューは改良したり、価格を下げずに付加価値をつけて顧客満足度を上げたりする工夫が必要です。また、原価率の低い新メニューを開発して利益率アップを目指すのも良いでしょう。

そのほか、原価率を抑えるためには、調理時に各食材の使用量を守ることも大切です。レシピどおりに食材を計量して、無駄遣いをなくしましょう。

業務効率化

業務効率化の一環として、調理を簡便化して調理効率を高めるのもおすすめです。誰でも同じ味を再現できるようレシピや盛り付けをマニュアル化すると、業務改善につながります。その際、ITツールを活用すると、更新情報の共有もスムーズになります。

また、ある程度調理された商品を活用するのもひとつの手です。

例えば、洋食の飲食店でトマトソースの利用が多いのであれば、カゴメの「トマトソース・トマトミックスソース」が便利です。トマトの洗浄・カット・炒め・煮込み・調味の工程を削減できます。ランチや忙しい時間帯の調理をアルバイト・スタッフに任せても、味に安定感を持たせて提供しやすくなります。また、多彩なラインアップがあるため、ご要望の1品がきっと見つかるはずです。

そのほか、カゴメの「オニオンソテー」は、手間のかかる皮むき・洗浄・カット・炒めの工程を削減可能で、生ごみの削減につながります。5段階のソテー度合いと3つの形状(ダイス・スライス・ピューレー)により15種類ものラインナップがあるので、料理に合わせて活用できるでしょう。さらに、玉ねぎを焦がしてしまってロスを出すリスクも減らせます。

まとめ

飲食店の経営において、しっかりと利益を出すには、お店に合った原価率を算出することが大切です。人件費も含めたFLコストも考慮して、適正値をみつけましょう。肌感覚で経営していると、サービス精神から赤字を招きかねません。しっかり数値化して経営状態を把握しつつ、経費の無駄をカットしてお客様に満足してもらえるお店を目指しましょう。