更新: 2024/11/22

外国人観光客は日本での食事に不満を感じている?飲食店がとっておきたい対策とは

外国人観光客は日本での食事に不満を感じている?飲食店がとっておきたい対策とは 外国人観光客は日本での食事に不満を感じている?飲食店がとっておきたい対策とは

外国人観光客が訪日前から楽しみにしていることのひとつが、日本の飲食店で味わう「食事」です。しかし、言語や食文化の違いから、不満に感じる点も多く見受けられるため、飲食店は適切なインバウンド対策をとることが重要です。

今回は、飲食店がインバウンド対策をする上で心がけておきたいポイントを解説します。

食事は外国人観光客の目的のひとつ

近年、外国人観光客の日本旅行の目的は、「モノ消費」から「コト消費」へシフトしています。ひと昔前は、買い物を楽しみに日本へ訪れる外国人観光客が多くいましたが、最近は仏閣や寺院・城といった歴史的建造物や伝統工芸に触れたり、日本食を食べたりといった体験を重視する外国人が増えているのです。

観光庁による「訪日外国人消費動向調査」では、7割以上が「日本食を食べることを楽しみにしていた」と答えています。

出典:国土交通省観光庁「訪日外国人消費動向調査

【外国人観光客】食事に関して不満を感じる方もいる

農林水産省が発表しているデータを参考に、外国人観光客が日本での食事に対して抱く不満の声を紹介します。


出典:農林水産省「日本の飲食店に対する訪日外国人旅行者の評価


料理のボリュームが少ない

「運ばれてきた料理が、思っていた量よりも少ない」という不満が上がっています。特に、オーストラリアの観光客からの意見が多い傾向にありました。

ベジタリアン・ヴィーガン対応のメニューがない

ベジタリアンやヴィ―ガンの人々は日本でも増えてきています。しかし、宗教や文化・動物愛護といった観点から動物性食品を制限した食生活を送る人々に対応した飲食店は、まだまだ少ないのが現状です。訪日客からは「食事制限のある人への対応をしてほしい」と要望の声が上がっています。

ベジタリアンやヴィーガンの詳細については、「ヴィーガンとベジタリアンは何が違う?多様な種類に対応できる商品を紹介」をご覧ください。

多くの外国人観光客に食事を楽しんでもらうには?

【外国人観光客】食事に関して不満を感じる方もいる 【外国人観光客】食事に関して不満を感じる方もいる

外国人観光客が楽しみにしている食事を満喫してもらうには、日本の飲食店サイドの努力が不可欠です。つまり、外国の食文化を理解し、不安を取り除く環境づくりと多種多様な食文化に対応するレシピを準備しておくことが求められています。

ここでは、外国人観光客に食事を楽しんでもらうためのポイントについて詳しく解説します。

他国の食習慣を理解する

世界には多様な食習慣や文化があるため、日本での「当たり前」が通用しません。日本を訪れる観光客の人数が多い国や地域を中心に、食習慣や日本の飲食店に対する要望・食行動の特徴について理解を深めておきましょう。

<主要な国の食習慣と来日した際の飲食店に対する要望や食行動の特徴>

食習慣・食行動の特徴
中国 口コミサイトやインターネット上で人気の高いお店に行く傾向がある。海外への現金の持ち出しが制限されており、中国国内で普及しているスマートフォン決済やクレジットカード決済を好む方が多い。日本の飲食店について「席や店舗が狭い」と指摘する声が多くある。
韓国 事前に人気店を調べて行く場合が多い。地元の日本人が通う店や道中で見つけた店を利用するケースもある。日本の飲食店について、「席や店舗が狭い」「座敷席は身体的に苦痛」「禁煙席が欲しい」「韓国の飲食店とは料金体制が異なるので違和感がある」といった声も。また、韓国ではキムチなどのおかず類が無料で提供される食文化がある。
台湾 ベジタリアン人口が多いので、「ベジタリアン対応」を求める声が多い。また、日本の飲食店について、分煙対応の店で「タバコのにおいがする」との指摘があり、徹底した受動喫煙対策が求められる。
香港 訪日前にインターネットで飲食店に関する情報収集をする場合がある。「現金決済しか対応していない店は不便」といった声も。
タイ タイで人気のオンライン掲示板サイトで飲食店の情報収集をする場合が多い。「デザートの種類が少ない」「1オーダー制に違和感がある」との声も。食事の注文時に翻訳アプリを活用するケースが多い。
オーストラリア 「オーストラリアに比べて日本の飲食店で提供される料理の量は少ない」との不満がみられる。また、「箸が使えないのでフォークを提供してほしい」「ベジタリアンやヴィーガンなど、食事制限のある人への対応をしてほしい」との声も。「現金払いでも問題ない」との意見が多いが、税抜き価格表示の場合に「表示価格以上の金額を取られた」と不満を感じた人もいる。

出典:農林水産省「日本の飲食店に対する訪日外国人旅行者の評価

外国人観光客に合ったメニューを作る

世界中から多様な食習慣を持った観光客が訪れるので、宗教や文化などの観点から特定の食品を食べられない人にも対応したメニューを用意しておきましょう。

しかし、外国人観光客からの要望が多い「ベジタリアンやヴィーガン対応メニュー」については、動物性原料を使用しないので、うま味や食べ応えが物足りなくなってしまいがちです。また、肉や魚など動物性原料を別のメニューに使用する場合は、誤って混入するリスクもあるので、ヴィーガン対応のハードルが高いと感じている方も多いでしょう。

そんな場合は、ヴィーガン対応商品を活用すると安心です。カゴメのおすすめ商品3つを紹介します。

紹介する商品は、下記の条件を満たした商品です。ご確認のうえご活用ください。

<商品について>

  • 動物性原料を使用しておりません。
  • 同一製造ラインにおいて、動物性原料を含む商品を製造しています。
  • 原料の加工工程やすべてをさかのぼった起源原料の確認はしていません。
  • 動物性原料とは、肉類・魚介類・乳製品・はちみつなどを指します

カゴメ野菜だし調味料

カゴメ野菜だし調味料は、たまねぎ、人参、セロリをベースにブロッコリーなどを加えコクを深めた野菜だしをベースにした、素材のおいしさや風味を引きたてるだし調味料です。希釈して具材を加えるだけで、手間なくうま味のある料理が作れます。酵母エキスや増粘剤を使わずに、しっかりした味わいに仕上げており和・洋・中どんなジャンルにも使える点がおすすめです。

個食レトルト

個食レトルトには、お豆や根菜を使ったスープや、大豆ミート・豆乳・香辛料などを駆使したパスタソースとカレーがあります。

温めるだけで簡単に提供できるので、忙しいランチタイムもアルバイトの方に調理を任せやすくなります。

植物由来の代替加工食品

植物由来の代替加工食品には、Ever Egg(エバーエッグ)やEver Cheese(エバーチーズ)などがあります。

Ever Eggは、動物性の原料を一切使用せず、卵のような味わい・色・食感を再現した代替品です。にんじんと白いんげんを用いた特殊加工技術(野菜半熟化製法)で作り上げています。植物性の食材からなる商品なので、ヴィーガン向けのメニューにも使用可能です。

Ever Cheeseは動物性の原料を配合せず、人参と大豆を使用し、独自の製法で本物のチーズのような色味と味わいを再現した商品です。温めることですぐに溶けて伸びるため、ピザやグラタンをはじめ、さまざまなメニューに活用できます。

【その他】外国人観光客の満足度を高めるためのポイント

多くの外国人観光客に食事を楽しんでもらうには? 多くの外国人観光客に食事を楽しんでもらうには?

外国人観光客は、日本での旅行を楽しみにしている一方で、言語や文化の違いから不安を感じています。快適に飲食を満喫できるよう、不安を取り除く心遣いが大切です。

まずは、「料理写真付きのメニュー表」を用意しましょう。外国語表記のメニューを用意するのも親切ですが、写真のほうがパッと見て料理のイメージができ、注文しやすくなります。

また、多様な支払方法に対応することも重要です。海外では、キャッシュレス決済の比率が高い傾向にあります。そのため、外国人観光客がスムーズに会計を済ませられるようクレジットカードやQRコード決済などを導入しましょう。

まとめ

外国人観光客は、日本での食事を旅の楽しみとして重要視しているため、おいしい料理と快適な接客でおもてなししたいものです。

しかし、宗教や食文化の違いから食べられない食材があったり、使い慣れない言葉や日本での決済方法に不安を感じたりしています。多様な食文化に対する理解を深めて、安心して食事を楽しめる環境を整えておきましょう。