更新: 2025/02/17

飲食店における外国人対応で行うべきこと・注意点

近年、訪日外国人観光客の増加に伴い、飲食店では言語やマナー、支払い方法など、さまざまな課題に直面しています。外国人観光客から「また来たい」と思ってもらえるよう、飲食店はどのような準備をすべきなのでしょうか。

今回は、文化の違いを越えて外国人観光客に満足していただくための具体的な対応策や、国別の注意点について詳しく紹介します。

【飲食店】外国人への対応としてできること

外国人観光客に快適な食事を提供するには、言語や文化、宗教、思想の違いを感じさせない細やかな配慮が必要です。

メニュー表に写真を入れる

メニューに写真を入れておくと、外国人観光客が料理をイメージしやすくなります。

料理名や食材の説明が言葉では難しい場合でも、写真があれば直感的に選べるためスムーズに注文できます。

外国語のメニューを用意する

外国語のメニューを用意することで、外国人観光客は安心して注文ができます。複数の言語で準備するのが望ましいものの、まずは多くの人が理解できる英語版から始めるのがおすすめです。

外国人観光客が気軽に来店しやすくなり、売上アップが見込めます。

宗教や思想に対応した料理を用意する

日本では、宗教を理由に食事を制限する人が少ないのが現状です。一方で、世界には多様な宗教や思想があり、それぞれの信仰に基づいて控える食材が存在します。増加する外国人観光客が安心して食事を楽しめるよう、飲食店では多様な価値観に配慮したメニューを準備しておきましょう。

宗教上の理由で食べられないもの

世界的にみて宗教人口が多いイスラム教とヒンドゥー教の食事の制限について確認しておきましょう。

宗教 食べられない食材
イスラム教 豚肉・アルコール・イスラム教で許されていない食肉や血液
ヒンドゥー教 肉・魚介類・卵・生もの・五葷(ごくん:ニンニク・ニラ・ラッキョウ・玉ねぎ・アサツキ)

ほかにも宗教・宗派によってあらゆる制限があるため、食材・調理方法を細かく記載する配慮が必要です。

ヴィーガンの方は動物由来の食品NG

ヴィーガンは、ベジタリアンの中でも厳格な「完全菜食主義者」を指します。食事はもちろん、ファッションにおいても革製品や毛皮といった動物由来の製品は使用しない場合がほとんどです。

動物愛護・健康問題・食糧不足など、ヴィーガンを選択する理由は人それぞれです。また、摂取する食材の範囲は個人によって異なります。例えば、畜産されていないジビエ料理を食べるというヴィーガンの方もいます。

飲食店には、来店客自身が「食べる・食べない」を選択できるよう、原材料や調理方法を可能な限り詳細に表示する配慮が求められます。

ヴィーガンに対応したメニューを提供するには、オペレーションなどで負担が生じることがあります。そこで、下記の商品を活用するのをおすすめします。

<カゴメのヴィーガン対応商品についての定義>

  • 動物性原料を使用しておりません。
  • 同一製造ラインにおいて、動物性原料を含む商品を製造しています。
  • 原料の加工工程やすべてをさかのぼった起源原料の確認はしていません。
  • 動物性原料とは、肉類・魚介類・乳製品・はちみつなどを指します。

ここで紹介する商品は、カゴメのヴィーガン対応商品についての定義(※)に基づいた商品です。

※「ヴィーガン」に一律の定義はありません。あくまでカゴメの考え方を示すものです。

・カゴメ野菜だし調味料

コクやうま味を出しにくいヴィーガン料理に、野菜だし調味料を上手に取り入れることで、簡単にうま味を付与することができます。野菜由来の優しい味わいで、炊き込みごはん・リゾット・ラーメンスープなどジャンルを問わずに使用できます。

カゴメ野菜だし調味料

・Ever Egg

メニューのレパートリーがグッと広がる、植物性原料のみでつくった卵不使用の食品です。にんじんや白いんげん豆の特性を活かして、卵そっくりの味わい・食感・色合いを再現しています。

オムライスや親子丼(鶏肉は大豆ミート使用)に適した半熟スクランブルタイプ(冷凍:130g・500g、常温:130g)とたまごサンドなどに適したフィリングタイプ(冷凍:500g)があり、料理に応じて使い分けが可能です。

カゴメEver Egg

・EverCheese

贅沢な気持ちが味わえる、とろ~り濃厚な植物由来のチーズです。人参と大豆を独自製法によりチーズそっくりに仕上げました。シュレッドタイプで使いやすく、ピザ・グラタンといった、おなじみの人気メニューを提供できます。

カゴメEverCheese

支払い方法を選べるようにする

QRコード決済・クレジットカードといった便利なキャッシュレス決済が世界中で普及しています。このような状況下で、現金のみの対応では外国人観光客だけでなく日本人にとっても不便な状態となります。

そのため、飲食店ではクレジットカードやその他のキャッシュレス決済など、複数の支払い方法を整備しておくことが重要です。多様な決算手段を導入することで、外国人観光客の利便性を高められるほか、来店数の増加も見込めます。

フリーWi-Fiを導入する

フリーWi-Fiを提供することで、外国人観光客の集客において大きな強みとなります。外国人観光客は気軽にお店へ立ち寄れるようになり、SNSでの情報発信も期待できます。

多言語に対応できる体制を整える

外国人観光客とのコミュニケーションにおいて、多言語に対応することが望ましいです。ただし、必ずしも完璧に対応する必要はありません。日本の文化を楽しみにしている外国人観光客と、簡単な英語で意思疎通が図れることで、十分なおもてなしが可能です。

便利な翻訳ツールや指差しツールも活用すれば、言語の壁を乗り越えやすくなります。

セルフオーダーシステムを活用する

多言語への対応が難しい場合、セルフオーダーシステムの導入を検討してみましょう。多言語メニューを備えたセルフオーダーシステムを活用すれば、注文が円滑になり、スタッフの負担も軽減されます。

【国別】飲食店の外国人対応のポイントや注意点

来日数が多いアメリカ・オーストラリア・中国・韓国からの観光客を接客する際の対応ポイントや注意点を押さえておきましょう。

アメリカ

アメリカからの観光客は、TripAdvisorやガイドブックを参考に情報を集めて来店する場面が多くみられます。ヴィーガンやベジタリアン向けの食材表記があると安心してもらえるでしょう。また、カロリー表記があるとうれしいという声も聞かれます。

オーストラリア

オーストラリアからの観光客は、現金での支払いに抵抗が少ない傾向があります。近年では、ヴィーガンやベジタリアンの数が増えているため、対応メニューを用意して食材の表記を詳細にしましょう。また、タバコを嫌う方が多いので、分煙または全席禁煙にするといった配慮も必要です。

中国

中国からの観光客は、SNSを利用して情報収集するケースが大半です。また、キャッシュレス決済に慣れているため、現金決済のみの対応では不便に感じる場合があります。温かい食べ物や飲み物を好む傾向が強いため、料理などの温度管理に気を配ると良いでしょう。

韓国

韓国からの観光客は日本をリピートして訪れる方が多く、日本人に愛される店に興味を持つ傾向があります。韓国では小鉢が無料で提供される文化があるため、日本の「お通し」が有料である旨を事前に伝えると良いでしょう。また、健康志向が高いため、ヘルシーメニューが好まれる傾向にあります。

人手不足の飲食店が行うべき対策

人手不足に悩む飲食店では、外国人観光客への対応がさらなる負担となり、サービスの質の低下が懸念されます。お客様に満足していただくためにも業務の効率化を図りましょう。

なかには、調理や配膳をロボットに任せてスタッフの負担を軽減している飲食店もあります。

調理工程の効率化を図りたい場合は、簡便商品を活用するのもひとつの方法です。例えば、カゴメが提供する冷凍イタリア産グリル野菜シリーズを活用すれば、洗浄やカットの手間を削減でき、生ごみの処理も不要になります。

また、冷凍野菜ピューレーはポタージュやデザートなど、多様なメニューに活用できます。季節を問わず色や味・香り、更には価格も安定しているため、料理のクオリティを保ちやすいのも嬉しいポイントです。

調理スタッフの手間を軽減しながら、品質を保って料理を提供できるので、心にゆとりを持って接客できるようになるでしょう。高まるヴィーガン料理のニーズに応える際にも、力強い味方になる商品です。

まとめ

外国人観光客のニーズに応じた心遣いができるかどうかで、飲食店の評価は大きく左右します。言語サポートや文化的配慮・ホスピタリティを通じて居心地の良い空間づくりをするおもてなしの心が大切です。インバウンドの集客率向上を目指し、対応力を上げていくことが重要です。