記事では青じそを紹介しますが、赤しそも同様の手順で育てることができます。
葉だけでなく、芽や花、実も食べられる
しそは葉を食べるイメージが強いですが、芽や花や実も楽しめます。
若芽である芽じそは、赤しそなら「紫芽(むらめ)」、青しそなら「青芽(あおめ)」と呼ばれ、刺身のつまなどに使われます(この記事では苗から育てるため収穫はできませんが、種から育てた場合は収穫が可能です)。
また、花が咲いた穂は「花じそ」「穂じそ」と呼ばれ、刺身のつまや薬味などに用いられます。
しその実は、穂じそから実だけを外したもので、塩漬けやしょう油漬けにして食べます。
準備するもの
- しその苗:2~3株
- 深さ15cm以上のプランター
- 培養土
- 鉢底石
- 移植ごて(小型の園芸用シャベル)
- ジョウロ
- 園芸用ハサミ
- 化成肥料
苗選び
苗は4月ごろから園芸店などに出回ります。節間(せつかん:茎についている葉と葉の間隔)が詰まっており、濃い緑色で葉や茎が元気な苗を選びましょう。
植えつけ
プランターの土に穴をあけ、ポリポット(簡易のビニール容器)から出した苗を植えつけます。苗と苗の間隔は20cmほどあけましょう。植えつけたら、土をならします。
植えつけ直後は風通しのよい日なたに置き、水は底からあふれ出るまでたっぷり与えます。しばらくしたら半日陰に移しても、十分に育ちます。水は、土が乾いてきたタイミングで、たっぷり与えましょう。
追肥
植えつけから2週間ほど経って、本葉が7~8枚になったら、化成肥料10g程度をまいて、軽く根元に土を寄せながらなじませます。以降、1週間に1回ほど追肥をします。
摘芯
草丈が30cmほどになったら、主枝の先端を園芸用ハサミで切り取り、摘芯します。これをすることによって葉の数が増え、たくさん収穫できるようになります。
収穫
草丈が30~40cmになったら、必要な分だけ葉を収穫します。下葉を残して、上のやわらかく大きな葉から収穫していきます。
収穫が始まったら、2週間に1回を目安に、化成肥料を10gほど追肥します。
花じそ・穂じそと、しその実の収穫
●花じそ・穂じそ
葉を収穫後、穂の花が1/3ほど咲いたら、花じその収穫時期です。また、穂先に2~3輪残しているものを収穫すると穂じそになります。どちらも、穂の付け根から切り取って収穫しましょう。
●しその実
1つの穂に2~3輪の花が残る状態になったら、しごくようにして穂から実を収穫します。
最後に
葉だけでなく、花や実まで食べられるしそ。家庭菜園ならではの豊かな香りを食卓で楽しんでください。
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藤田 智
1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は160冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
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