2005年8月11日
カゴメ株式会社(社長 喜岡浩二)は、「幼児の食生活と排便実態について」をテーマとした調査を実施いたしました。この調査は、全国の幼児・児童を持つ保護者を対象とし、インターネットによるアンケート回答方式により行なわれ、2,576件の有効回答数を得ました。 カゴメは、「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」というコーポレートメッセージのもと、子どもたちの豊かな食体験と心身の健やかな成長を願い、さまざまな食育支援活動を行なっています。本年は、「こどもの日『楽しく食育』プレゼント」及び「カゴメ劇場2005」において、「食」と排便の関わりや重要性を、幼児とその保護者にわかりやすくお伝えしております。 本調査は、一連の活動の対象者となる幼児の生活実態を把握し、今後の活動へ反映していくことを目的として実施したものです。 | ||
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今回の調査の内容は 1. 子どもの排便を含めた生活リズムの実態 2. 子どもが好きな野菜・嫌いな野菜 3. 保護者が抱える子どもの食生活上の問題点 の3点となっています。 調査結果と分析は添付の報告書の通りですが、その中でも興味深いデータとして ■ 起床・就寝時間帯別に排便時間帯を見ると、7時前に起床、20時までに就寝する層では朝排便すると回答した割合が多く、逆に7時以降に起床、21時以降に就寝する層では、夕方以降に排便する割合が増える。早寝早起きが、排便の生活リズムに影響している。 ■ 子どもが好きな野菜は、「えだまめ」が最も多く、次いで「じゃがいも」「にんじん」「トマト」「きゅうり」。3歳以下では「にんじん」が最も多く6割を超えるが、年齢が上がるにつれて少なくなり、8歳以上では3割まで下がる。各年齢層共に5割以上と多かったのは、「じゃがいも」「トマト」。 ■ 子どもが嫌いな野菜は、「ピーマン」が圧倒的に多く、次いで「ねぎ」「なす」「しいたけ」「トマト」。 ■ 子どもに積極的に食べさせている食品として、全体で7割が「野菜・野菜ジュース」を挙げ、次いで「豆類」「乳製品」と続く。肉や卵などは少数で、ビタミンやミネラルなど、不足しがちな栄養素を多く含む食品を、多くの保護者は理解している。 ■ ごく少数ではあるが、積極的に食べさせている食品に「サプリメント」や「肝油」「梅肉エキス」「DHA」「カルシウム」という回答があった。食べ物を栄養面だけでとらえている保護者へ、正しい食情報を提供することが必要。 ■ 子どもの食生活上困っていることは、圧倒的に「好き嫌い・偏食」が多く、内容は「野菜嫌い」「緑色のものは食べない」などが目立つ。多くの保護者は、栄養面の知識もあり、調理に工夫をしたり、声がけをしたりして、野菜を食べさせようとするが、子どもの食わず嫌いに悩んでいる。 などが挙げられます。 カゴメでは今回の調査から
との結論を得ています。 合わせて、この調査結果について、食育コーディネーターの大村直己氏より別紙のコメントをいただいております。 カゴメでは、今回の調査結果をさらに検討・分析し、食育支援活動の更なる発展と充実のために努力を続けて参ります。今後とも弊社活動へのご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 | ||
「幼児の食生活と排便実態」調査報告書 【1】(PDFファイル:180KB) 「幼児の食生活と排便実態」調査報告書 【2】(PDFファイル:134KB) 「幼児の食生活と排便実態」調査報告書 【3】(PDFファイル:122KB) | ||
カゴメ株式会社「幼児の食生活と排便実態について」調査結果へのコメント | ||
食育コーディネーター 大村直己 | ||
幼児・児童の保護者を対象にした全国規模の調査結果、たいへん興味深く拝見しました。 ■インターネットによる「カゴメ劇場ホームページ」訪問者の回答ということから、回答者は全般に比較的「食への関心」が高い層と思われます。その上で、以下に、調査結果を見てのコメントを述べさせて頂きます。 ■幼児の生活パターンが「おとな化」しているとよく言われます。夜更かしする子どもが年々増え、その結果、睡眠時間が短くなっているとのこと。ある調査で、幼児の半数近くが夜10時以降に就寝というデータを見たときは驚きましたが、今回の調査では大半の子が10時前に就寝しており、ホッとしました。とはいえ9時前に寝る子は半数。残りの子たちも出来ればもう少し早く就寝して欲しいと思います。「早寝早起きの子の方が朝きちんと排便がある」という結果も興味深く、就学前の幼児期から少しずつ、「早寝早起き」とともに「朝の排便」の習慣を身に付けることが、小学校生活にスムースに移行するためにも大切です。 ■子どもの偏食で悩むママたちが増えています。今回も子どもの食生活上困っていることのトップにあげられたのが「野菜嫌い」。手軽においしい食べ物や飲み物が周りにあふれている現代、今の子は野菜の素朴な味わいが分かるようになる前に、甘い味や刺激的な味の食べ物に慣れてしまいがちです。ちょっとお腹がすいたら何か食べ、空腹感なく次の食事を迎えることも間々あること。お腹がすいていればちょっと苦手なものでもおいしく味わえるのですが、飽食の今、そのような単純なことが盲点になっているのではないかと感じています。野菜はお腹をすかせて地道に食べる積み重ねのなかでおいしさが分かるようになる"ちょっと手間のかかる食材"です。離乳の頃からママやパパや周りの人と一緒に「おいしいね」と少しずつ食べ続けながら好きな野菜を増やしていきましょう。 ■「サプリメント」等の栄養補助食品を積極的に食べさせている人もいましたが、こうした特殊な食品への行き過ぎた依存は一部の成分だけを過剰摂取してしまうことにもなりかねず、特に体の小さな幼児にはすすめられません。まずはバランスのとれた食事と生活のリズムが大切です。 ■人の体には「太陽が昇ると目覚め、太陽が沈むと眠る」という一定のリズムがあります。朝食を毎日食べる子の方が、成績もよく、日頃の生活態度もよいことが、各種調査からも明らかです。「早寝、早起き、朝食べる」は子どもたちの生活の基本。そして「しっかり遊んで、しっかりお腹をすかせてから、しっかり食べる」こと。この2つの基本を大切にすることが、存外、現代っ子にとって食育の第一歩となるのではないでしょうか。 | ||